「引きが強い」を数字で説明する

設定6を引いたのに負けた日。設定1だろうと思いながら打っていたら勝った日。 どちらも珍しくありません。この「引き」というものが実際どれくらいの大きさなのかを、 ジャグラーの数字で計算してみました。

「今日は引きが良かった」を式にすると

まず言葉を整理します。「引きが良い」というのは、こういうことです。

引きの良さ = 実際に出た枚数 − 本来出るはずだった枚数

設定6を8000G回せば、平均して2,800枚くらい増えます。これが「本来出るはずだった枚数」。 その日4,000枚出たなら、1,200枚ぶん引きが良かった。1,000枚しか出なかったら、 1,800枚ぶん引きが悪かった。それだけの話です。

問題はこのズレがどれくらい大きいのかです。 小さいなら設定の良し悪しがそのまま結果になりますが、大きいなら結果を見ても設定は分かりません。

1日でどれくらいブレるのか

マイジャグラー5を8000G(開店から閉店まで、ほぼ丸一日)回した場合を、 2万回ぶん計算しました。使ったのはこのアプリが設定推測に使っている理論値そのままです。

設定 平均でこれくらい ブレ幅 悪い日(下位5%) 良い日(上位5%)
設定1−530枚±1,380枚−2,730枚+1,780枚
設定4+1,020枚±1,450枚−1,320枚+3,460枚
設定6+2,780枚±1,540枚+320枚+5,410枚

マイジャグラー5・8000G・試行20,000回。「ブレ幅」は標準偏差といって、 だいたい3回に2回はこの幅の中に収まるという目安です。裏を返すと3回に1回はここから外れます。

ブレ幅が1,400枚前後あります。この数字を、設定ごとの平均と見比べてみてください。

設定1の平均は−530枚、設定6の平均は+2,780枚。差は3,300枚ほどです。 ブレ幅2つぶんちょっとしかありません。

だから表の右2列のように、設定1で+1,780枚出る日と、設定6で+320枚しか出ない日が、 どちらも「よくあること」として並びます。結果だけを見て設定を当てるのが難しいのは、 腕や勘の問題ではなく、そもそもこういう数字だからです。

設定は坂の傾き、引きは風

イメージとしては、自転車で走るのが近いと思っています。

そして今回の計算が言っているのは、この坂の傾きより風の方が強いということです。

下り坂(設定6)でも向かい風なら進まないし、上り坂(設定1)でも追い風なら前に出ます。 だから「今日は進んだ/進まなかった」だけでは、坂が下りだったのか上りだったのか分かりません。

ジャグラーの設定差が「小さい」と言われるのはこのことです。 坂の傾きが急な機種なら、風があっても下り坂だとすぐ分かります。 ジャグラーは傾きがゆるいので、風に紛れてしまいます。

長く走るほど、風は薄まる

ではどうにもならないのか、というと、そうではありません。 風の影響は、長く走るほど薄まります。

コインで考えると分かりやすいです。100回投げると表はだいたい50回ですが、 45回や55回もよく出ます。ズレは5回ぶん、割合にすると5%です。

では10,000回投げたら。表は5,000回前後で、ズレはだいたい50回ぶん。 投げた回数は100倍になったのに、ズレは10倍しか増えていません。 割合にすると0.5%まで縮んでいます。

ブレは回数に比例して増えるのではなく、もっとゆっくり増えるのです。 一方で期待値(坂の効果)は回数にそのまま比例して増えます。だから長く走れば坂が勝ちます。

回したゲーム数平均でこれくらいブレ幅ブレ幅 ÷ 平均
1,000G+360枚±540枚1.5倍
3,000G+1,050枚±940枚0.9倍
5,000G+1,740枚±1,220枚0.7倍
8,000G+2,820枚±1,550枚0.5倍

マイジャグラー5・設定6の場合。右端が小さいほど、結果に設定が現れやすい。

1,000Gでは、ブレ幅が平均の1.5倍もあります。この時点の結果は、ほぼ風で決まっています。 設定6を引いていても、1,000Gなら普通にマイナスで座っています。

8,000Gまで回すと、ようやく平均がブレ幅の2倍になります。 「高設定なら夕方には出ている」という感覚は、だいたい合っています。 逆に昼過ぎまでの結果で高設定を否定するのは、まだ早いということでもあります。

「引きが強い人」は存在しない

ここははっきり書きます。抽選は、あなたが誰かを知りません。 前のゲームで何が当たったかも覚えていません。毎ゲーム、まったく同じ確率で抽選されています。

では、なぜ「あの人は引きが強い」と感じるのか。ブレ幅がこれだけ大きいからです。

300人がコインを10回ずつ投げれば、誰かは必ず8回以上表を出します。 その人はコインに好かれているのではなく、300人もいれば必ず出る役回りを引いただけです。 そして本人も周りも、その連続を実力だと感じます。

同じ理由で、こういう考え方はどちらも成り立ちません。

強い引きのあとに平均へ戻っていくのは、次が悪くなるからではありません。 そのあとが平均的なので、積み上がった全体の中で最初の当たりが薄まっていくだけです。

じゃあ、何ができるのか

風は選べません。選べるのは残り2つです。

そして大事なのは、坂を正しく選んでも、負ける日はなくならないということです。 表の設定6の列を見てのとおり、良い設定でも下位5%の日は+320枚しか出ません。 これは判断が間違っていたのではなく、風向きの問題です。

1日の結果で自分の判断を採点しないでください。 ブレ幅1,400枚の世界では、1日の勝ち負けは判断の良し悪しをほとんど教えてくれません。 判断が良かったかどうかは、何十回ぶんかを積み上げてからでないと見えてきません。

アプリではどこに出るか

GoGo Judgment では、この話が2か所に出てきます。

やめどきメーターは「いま乗っている坂が上りか下りか」を、その時点までの数字から推定して出します。 坂の判定なので、その日の勝ち負けとは別のことを言います。負けているのに「継続」と出ることも、 勝っているのに「撤退目安」と出ることもあります。

収支分析の累積収支推移には、点線の参考線が引かれます。 これは「推定した坂の傾きどおりに進んでいた場合」の線です。 実線がその上にいれば追い風だった、下にいれば向かい風だった、という読み方になります。

ひとつ注意があります。非等価のお店では、メダルを買う値段と換金する値段の差だけで 実線が点線の下に沈みます。これは風ではなく、お店の条件による目減りです。 少し下にいるだけなら、引きが弱かったとは限りません。

まとめ

坂の傾きを推定するアプリを作っています

GoGo Judgment は、G数・BB・REG・ぶどうから「設定◯の可能性が◯%」を根拠つきで出すアプリです。 当てるのではなく、判断材料を並べて、あとはご自身で決めていただく作りにしています。

本記事および本アプリが表示する内容は、過去の傾向にもとづく統計的な分析結果です。実際の設定を保証するものではありません。 分析結果をもとにした遊技の結果について、当サービスは責任を負いません。