1万件のデータで「明日の予測」を全部試した話

この記事の要点

  • ジャグラーの台選びで、前日の凹み・特日・曜日・末尾など、朝の時点で分かる材料を約1万1千件で検証したが、実用になる大きさのものは1つも残らなかった
  • 理由は、設定が日ごとに引き直されるため。昨日の情報と今日の設定には、つながりが無い
  • 残ったのは、店に着いてから分かる材料だけ(その日の店の状態と、周囲の台の状況)

前日の凹み、特日、曜日、台番の傾向。よく言われる材料を、実際のホールデータ1万件超で ひとつずつ検証しました。朝の時点で使えるものは、1つも残りませんでした。 何が残らなかったのか、そして何が残ったのかを書きます。

調べたデータ

某県内の3店舗、のべ約1万1千件(台×日)です。いちばん多い店で 141日・108台・8,636件ありました。

検証のやり方は単純です。その日より前のデータだけを使って予測を作り、 その日の実際の結果と突き合わせます。ここで当日のデータを混ぜてしまうと、 自分の答えを見ながら答えることになって、実際よりずっとよく当たって見えます。

「よく当たった」だけでは足りません。まったく無関係な2つの数字でも、 たまたま揃うことはあります。そこで結果には必ず「偶然でもこれくらいは動く」という幅を 添えて、それを超えているかどうかで判断しました。

全部外れました

まず、台ごとの履歴から明日を読もうとした8つです。すべて差が1ポイント未満、 つまり偶然と区別がつきませんでした。

試した材料結果
前日が高設定だった台差なし
2日続けて高設定だった台差なし
2日・3日・4日と続けて凹んでいた台差なし
直近3回の平均差枚差なし
前回高設定から◯日以内差なし
高設定挙動が一度もない台差なし

「昨日凹んだから今日は上がる」も「昨日良かったから今日も」も、どちらも支持されませんでした。 上がるでも下がるでもなく、関係がなかったという結果です。

店の側の材料も同じでした。

試した材料結果
曜日別の実績差なし
特日(イベント告知日)差なし。むしろ符号が逆だった
前日の据え置き傾向差なし
前日の店全体の差枚差なし
台番の末尾(0〜9)どの末尾も差なし

特日は符号が逆でした。告知がある日のほうが、わずかに結果が悪かった。 これは1つの店の話なので一般化はできませんが、少なくとも 「告知日だから高設定が入る」を無条件に信じる根拠はありませんでした。

台番ランキングも外れました

これは自分たちのアプリの機能なので、いちばん確かめたくない結果でした。 「この台番は過去に高設定が入りやすい」という順位を、 その日より前のデータだけで作って、その日に当たるかを見ます。

順位帯実際に高設定だった割合件数
1〜5位20.6%335件
6〜10位19.5%390件
11〜20位18.4%821件
21位以下17.2%6,982件

いちばんデータの多い店(141日・8,636件)。全体では17.6%。

順番だけはきれいに並んでいます。上位ほど高い。方向は合っています。 でも大きさが足りません。1〜5位と21位以下の差は3.4ポイントで、 偶然でもこれくらいは動く範囲の中でした。

実感に直すとこうなります。

1〜5位 → 5.0台に1台  21位以下 → 5.8台に1台

上位を信じても、5台に1台が5.8台に1台になるだけ。 「ランキング上位でも打つ気にならない」という感覚は、データ的に正しい判断でした。

【追記 2026-09-21】 その後、比べ方を「その日の店全体と、日ごとに比べる」に直して測り直したところ、 この差は小さいながら偶然ではないと分かりました (詳しくは「ハズレを半分消せたら、当たりやすくなるのか」)。 ただし、実用になる大きさではないという結論は変わりません。

最後の望みも消えました

台番がダメでも、もう1つ筋の通った考えが残っていました。

設定は毎日引き直されますが、店の方針は毎日変わりません。 「この店はどれくらい出すか」「この店はこの機種に入れるか」は数ヶ月単位の性質のはずです。 続くなら、明日も使えます。しかも朝から。

そこで期間を前半・後半に割り、前半のデータだけで作った評価が 後半に当たるかを見ました。

後半の高設定率
前半で上位だった4組(店×機種)16.5%
前半で下位だった4組18.1%

逆でした。これも差なしです。

ここで危うく間違えるところでした。最初の計算では、前半と後半の相関が 0.89 という高い値が出ました。「続いている」と結論しかけたのですが、 原因は別にありました。

機種によって設定1〜6の機械割の幅が違います(マイジャグラー5は13.8ポイント、 ネオアイムジャグラーは8.8ポイント)。同じ配分でも機種が違えば数字が違うので、 前半・後半で同じ順に並びます。店の方針とは何の関係もありません。 機種の違いを取り除いたら、相関は0.35まで落ちて偶然の範囲に入りました。

なぜ当たらないのか

理由ははっきりしています。設定は日ごとに引き直されるからです。

昨日その台に設定6が入っていたことは、今日の抽選に何の影響も与えません。 店員が毎朝あらためて決めています。昨日の情報と今日の設定の間には、 そもそもつながりが無いのです。

「◯◯だから明日は狙い目」という話が当たらないのは、 読み方が下手だからではなく、読むべきものが存在しないからでした。

では、何が残ったのか

2つだけ残りました。どちらも朝には使えません。

1. その日の店の状態

その日の店の様子その台が高設定だった割合
店全体が好調(高設定が3割以上)37.7%
(全体)17.5%
店全体が不調(1割未満)12.8%

3倍の差です。今回いちばん大きな材料でした。ただし当然ながら、 これは店に着いて、その日のデータが出てからでないと分かりません。

2. 周囲の台の状況

その台の周囲4台に高設定挙動が3台以上あると、その台も高設定である割合が上がります。 ただし効きめは思ったより小さいものでした。

ここでも比べ方を間違えかけました。「周囲に高設定が多い台は34.5%(全体17.5%)」という 数字が出たのですが、高設定が多く入った日はどの台も高設定になりやすく、 同時にどの台も「周囲に高設定が多い」状態になります。 全体と比べると「今日はいい日だった」ぶんまで島の手柄になってしまう。

その日の高設定の個数を保ったまま位置だけ入れ替えた配置と比べ直すと、 効きめは半分になりました。それでも残ってはいますが、2倍ではなく1.3倍です。

結論

身も蓋もない結論ですが、これが1万件を調べて出てきた答えです。 朝は台を決められません。決められるのは、店に着いてからです。

この記事の数字は、うまくいかなかった検証の記録です。 自分たちのアプリの機能(台番ランキング)を否定する結果も含めて、そのまま載せています。 当たらないものを「当たる」と言うより、当たらないと分かっているほうが役に立つと考えているためです。

アプリではどうしているか

この検証を受けて、いくつか作り直しました。

代わりに増やしたのが、過去の記録を分解する側です。予測はしません。 「あなたが何をして勝った(負けた)のか」を、台選び・やめ時・着席判断に分けて出します。

断定しないアプリを作っています

GoGo Judgment は、G数・BB・REG・ぶどうから「設定◯の可能性が◯%」を根拠つきで出すアプリです。 当てるのではなく、判断材料を並べて、あとはご自身で決めていただく作りにしています。

本記事および本アプリが表示する内容は、過去の傾向にもとづく統計的な分析結果です。実際の設定を保証するものではありません。 分析結果をもとにした遊技の結果について、当サービスは責任を負いません。

計算に使用した理論値は、ケンさんのシミュレーター で公開されている「6号機ジャグラー確率&出玉率一覧」を参考にしています。 本記事の検証結果は某県内3店舗のデータにもとづくもので、すべてのホールに当てはまるとは限りません。